位相関係が存在する最大距離は、可干渉距離と言います。可干渉距離と帯域幅との関係は、c/Dlで表されます。
レーザドップラ振動計で使用するレーザは、ヘリウムネオン(He-Ne)レーザです。このレーザは、可視赤色レーザビーム(l= 0.6328 µm)を発生させます。このガスレーザは、ノイズのきわめて少ない光源であり、したがって、レーザドップラ振動計用として理想的です。
このようなレーザを安定させると、単一モードのみ励起するようにすることができます。すると、ライン幅は数MHzとなり、可干渉距離は約200~300 mとなります。
通常、レーザ振動計は、レーザが同時に2~3種類のモードで振動するマルチモードレーザで動作します。上記の各モードのビート周波数の干渉のため、可干渉距離は10~20 cmと短くなっています。ただし、対象物との距離が変化すると、このビート周波数によって得られる可視度はcos2依存となります。この信号は距離2 mLで最大となり、距離(2m-1)Lで最小となります。なお、mは整数です。したがって、このようなレーザを使用すると、非常に長い距離で測定を行うことが可能です。測定距離は、信号強度が最大となるように可視度のピークに合せて調節する必要があります。