レーザの基礎

 レーザの基礎振動測定の基礎 | 信号処理 | 表面効果

 

レーザ(励起誘導放射による光増幅)の基礎物理学的な原理は、光子を誘導放出するというものです。誘導放出を行うと、放出された光子のすべてが同じ性質を帯び、同じ波長の干渉性光を形成します。

                

レーザ装置は、レーザ発振材を収めた光学的空洞とその両端に配置した鏡とで構成されています。光が鏡2枚の間で繰り返し反射され、増幅されます。一方の鏡は一部しか反射しないため、少量のレーザビームが空洞外に放射されます。この過程を持続させる場合、エネルギーを供給して、レーザ発振材の原子を励起する必要があります。

                 

レーザ空洞沿いの波は定在波であり、長さLの空洞は鏡と鏡の間の半波長lの本数が整数n本である場合にのみ、共振します:

n = 2L / l

周波数Wは、式W = nc/ 2Lで求めます。なお、cは光の速度です。多重波長(長手方向モード)の分離の式は、DW = c/2Lです。ただし、レーザ空洞内で生じうるモードすべてが励起されるわけではありません。レーザ発振媒質の利得特性内に収まる場合にのみ、放射が行われます。

              

位相関係が存在する最大距離は、可干渉距離と言います。可干渉距離と帯域幅との関係は、c/Dlで表されます。

レーザドップラ振動計で使用するレーザは、ヘリウムネオン(He-Ne)レーザです。このレーザは、可視赤色レーザビーム(l= 0.6328 µm)を発生させます。このガスレーザは、ノイズのきわめて少ない光源であり、したがって、レーザドップラ振動計用として理想的です。

このようなレーザを安定させると、単一モードのみ励起するようにすることができます。すると、ライン幅は数MHzとなり、可干渉距離は約200~300 mとなります。

通常、レーザ振動計は、レーザが同時に2~3種類のモードで振動するマルチモードレーザで動作します。上記の各モードのビート周波数の干渉のため、可干渉距離は10~20 cmと短くなっています。ただし、対象物との距離が変化すると、このビート周波数によって得られる可視度はcos2依存となります。この信号は距離2 mLで最大となり、距離(2m-1)Lで最小となります。なお、mは整数です。したがって、このようなレーザを使用すると、非常に長い距離で測定を行うことが可能です。測定距離は、信号強度が最大となるように可視度のピークに合せて調節する必要があります。

 


 
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